『ネットは新聞を殺すのか ―――変貌するマスメディア――― 』
青木日照・湯川鶴章 著 NTT出版 (2003) 1500円
ネットは新聞を殺すのか-変貌するマスメディア | |
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国際社会経済研究所
NTT出版 2003-09-25 おすすめ平均 |
この本はいろいろな「2003年(ネット社会)の議論」の詰め合わせだ。
紙の新聞がなくなるかどうかという議論、情報配信企業としての新聞社はこれから残っていけるのかという議論、そしてネット上の個人発言者達(具体的に言えば某匿名掲示板の参加者達)のある種の行動をジャーナリスティックなものとして扱えるのかどうかという議論、さらにネット上でちゃんと利益があがるのかという議論がこの本にはぎゅっと詰め込まれている。
2003年という年に書かれたという時代制約がこの本の古さを感じる点であり、逆に現状のネット状況の根底を知ることができる資料として貴重な点である。(現在これと同じテーマの本が書かれるとすればもう少しネット上の個人発言者に対する比重が高まるのではないだろうか)
最新の情報じゃなきゃ嫌っ、という人にはあまり向かないかも。
過去と現在の関係から未来を予測してみるよ、と考える人には良い資料だと思われる。