『ブランド・エンジニアリング』
片平秀貴 日経BP社 (2003)1,785円
ブランド・エンジニアリング | |
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日経BP社 2003-01 売り上げランキング : 183987 おすすめ平均 |
1.企業がインターネット上で自社サイトを持つことだけで企業の「先進性」をアピールできる時代はすでに終わってしまった。
2.次のステージにおいてはその「あって当たり前」の企業サイト上でどのように「企業ブランド」をアピールできるのか?が重要である。
そのような前提に立ってネット上の企業サイト構築方法論を論じた書。
企業サイトには従来のメディア媒体でのものと比べて、消費者と直接コミュニケートできる利点がある。
この利点を最大限利用して「企業ブランド」の消費者への好意的認知を高めよ、というのがこの本のコアにある考え方だ。
著者は、企業サイトには「おもてなし力」が必要だと主張する。この「おもてなし力」は「企業ブランド」の認知をより深く、好感度をより高くすることに集中される。そして、それはサイト全体の設計、およびその運営において実現されるべきだ、と。
全体としてネット以外でも大規模広告が打てる(=既に社会的認知度が高い)大企業向けの議論が本全体を占めていることは否定できない。しかし、企業サイトにいかにして「おもてなし力」をつけるか、という点では全てのサイトにとって参考にできる点は多い。(更新をマメにしろとか、サイトのナビゲーションをもっと消費者のマインドに合ったものを、というのはよく言われていることなのだが、消費者がサイトに触れることを通じてそのマインドに「働きかける方法」を記した点がこの書の肝なのである。)