書籍紹介 『脳の右側で描け』

『脳の右側で描け』
 B・エドワーズ著
 エルテ出版 (2002)2310円

脳の右側で描け
脳の右側で描け Betty Edwards

エルテ出版 2002-02
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おすすめ平均 star
starデッサンを上達させるためには一番必要な本です
star機械的な転写がうまくなる本
starイライラするだけの、トンデモ本

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 題名だけ見ると巷に良くある「右脳なんとか」という本の一種のように思われるかもしれない。
 (いわゆる「右脳左脳理論」は多くの実証的研究により疑問視されている。)
 しかし、中身は丁寧・明確に絵(デッサン中心)の「描き方(≒考え方)」を教えてくれる本である。
 またこの本には解説だけでなく課題も載っている。米国産の技法書はこういうスタイルのものが多いそうだ。

 現在出版されているデッサンの技法書は、色々のテクニックを解説することが主で、読んでいる時は「描けるかも」と思えてくるが、 実際にデッサンをしてみると「?……なんか違う」と違和感を覚え、 その違和感が「やっぱり自分は根本的に絵が描けないのでは?」という限りなく確信に近い疑念となり、やるせない気持ちで黄昏る空を見上げることになるものがほとんどだ。

 著者はこのような「絵を描くことに対する無能感」の原因は学校における美術教育が間違っていることにあるとする。
 (著者は米国人だから米国の美術教育を念頭においているのだろう)
 別の言い方をすれば「絵を描くこと」に対する「考え方・イメージ」が間違った形で初期のうちに固まってしまったことが、「絵を描くことへのアレルギー」を生み出してしまうのだということになる。

 そういう意識から書かれたこの書は、テクニックよりもまず先に間違った形で固まった「絵を描くことに対する考え方」を文章と課題を消化することで得られる実体験を通して解きほぐそうとする。


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